果樹栽培において、極めて重要な
作業の一つが「摘果」作業です。
甘夏やデコポンのような中晩柑は、
単為結果性(結果するのに受精(受粉)
を必要としない性質)が強いため、
結果過多になりやすいと言われています。
そのため、「摘果」で適正な着果量に
調整する必要があります。
「摘果」を行わず、樹に着果負担を
かけると、連続しての安定品質の生産が
不可能となります。
また、「隔年結果」の防止のためにも
「摘果」は最重要作業とも言えます。

そんな「摘果」の作業適期を前に、
今日はJA指導員さんによる摘果講習会
が開催され、参加してきました。















露地デコポン・甘夏の着果目安という
ものがあります。これは、樹の容積を基に
「縦×横×高さ×有効容積(0.7)×㎥果数」
で求められます。参考値ですが、
露地デコポンでは12果/㎥、甘夏は10果/㎥
といった目安です。
ちなみに露地デコポンの樹で、樹幅2.5m、
高さ2.3mの樹では、2.5×2.5×2.3×0.7×12
=120果/本というのが摘果(着果)の
最終目標となります。摘果は一度に目標
まで一気に作業するのではなく、7月上旬
から1回目の「粗摘果」、8月上旬からの
「仕上摘果」の大きく2回で摘果を完成
させます。※農家によっては3回、4回と
園地を回って摘果する方もおられます。
ベテラン農家の皆さんは、この目安を
念頭においた上で、今年の着果量、
樹勢の状況、品種の特性、経営方針etc。
を踏まえて「摘果」を行います。
「摘果」はある程度スピード感を持って
行わなければ、後々の作業や玉太りに
大きな影響がでます。
園主のように何かと考えて、迷いながら
作業をしていては、「ダメ」なのです。
とにかく、体を動かし、トライ&エラー
で技術を磨く必要があります。

講習会では、指導員さんが、今年の
傾向を踏まえて、全体的な摘果の
ポイントを解説してくれます。
その後は実際に園地での摘果の実演です。
「新米園主」にとっては貴重な講習会です。
講習会の後は早速、当園での作業を
開始します。
まさに「鉄は熱いうちに打て」ですね。

大地と甘夏

KATO果樹園 園主 大学卒業時に将来農業で起業することを決意。 食品会社、JA職員、製薬会社での勤務を経て、 2023年、就農に向けて熊本県芦北地方に移住。 2024年、念願の就農。 現在、甘夏(70a) 、施設デコポン(12a) 、 露地デコポン(20a) の生産規模で経営。 加えて、黄金柑(20a) 桃 (5a) 一寸ソラマメ (10a)を生産予定

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