柑橘生産と「積算温度」

㈱グリーングラスの道法正則先生を
ご存じでしょうか?
柑橘生産者なら一度は目にしたことが
あるかもしれませんが、
「高糖度・連作のミカンつくり」
川田建次 著の著者です。
https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_454001238X/

川田建次は道法先生のペンネームです。
著者がJA職員時代に、当時の指導内容に
疑問をもち、独自に検証を重ねた結果を
世に知らせるため、ペンネームで
出版されたそうです。

昨年度、水俣・芦北地域雇用創成協議会が、
「環境配慮型農業実践塾」と称して、
道法先生の講習を果樹編で8回、
受講する機会を設けて頂き受講しました。

講習の中で、「今期参考にしたい!!」と
思っていたのが「開花と積算温度」の関係。
道法先生によると、柑橘(みかん)の
開花(満開)は年明け(1月1日)からの
積算温度が650℃に達した頃が目安という
ことです。
ここでポイントがひとつ!積算温度は、
1日の平均気温 ー 5℃」の累計を
とることです。
理由は平均気温5℃以下の日は柑橘の
花芽分化に必要な温度として影響しない
からだそうです。

今年の結果が以下の通りです。










↑黄色のハイライトのセルに注目です。
当園の甘夏の満開が5月2日、露地デコポンが
5月5日でしたので、概ね目安通りです。
経験が物言う農業の世界で、このような
目安や数値は有難いですね。

当地区の満開日の平均は5月3日です。
開花(満開日)としては例年並みと
いうところでしょうか。

ちなみに昨年は、4月14日に当地区での
積算温度650℃に到達しています。
開花は異例の4月21日でしたので、
柑橘の樹々にとっては、
植物生理が狂わされたのかもしれません。
※昨年は記録的な不作の年となりました。


大地と甘夏

KATO果樹園 園主 大学卒業時に将来農業で起業することを決意。 食品会社、JA職員、製薬会社での勤務を経て、 2023年、就農に向けて熊本県芦北地方に移住。 2024年、念願の就農。 現在、甘夏(70a) 、施設デコポン(12a) 、 露地デコポン(20a) の生産規模で経営。 加えて、黄金柑(20a) 桃 (5a) 一寸ソラマメ (10a)を生産予定

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