新規就農者 農業経営の実際

新規就農者 農業経営の実際

かなり固いタイトルです。
2024年(令和6年)に就農した
園主(脱サラ新規就農者)ですが、
甘夏(62a)という生産面積で
就農を開始しました。
当地区(芦北地方)での甘夏の
出荷は年明けの2月頃から開始され、
5月の連休明けまで続きます。
当園ではJA共販を利用しているため、
出荷代金の入金は7月末頃です。

そんなわけで、昨年(2024年)に
生産管理、そして出荷した柑橘の
代金が入金され、1年間の成果が
出た!!という事になります。

就農する際に「青年等就農計画」
※一般的な経営計画の事です。
というものを作成し、市町村に提出。
認められると認定新規就農者となり、
農地の賃借はもちろん、様々な
補助を受けることもできます。
何より融資を受ける際はこの計画を
基に審査されることになります。
※一般的な起業と同様です。

さて、本題の経営結果ですが、
生産量:計画比66.0%
売上高:計画比55.0%
散々な結果です。
👆記事にするような結果では
 ありませんが現実、そして戒めの
 思いも込めて書いています。
結果を踏まえて(結果が出る前から)、
原因の検証、改善点の洗出し、
具体的な対策を立てて取組んでいる
就農2年目の現在です。

実はこの結果、今年の3月頃には
予想できたものでした。
当時は随分と落込んだのですが、
周囲の先輩農家、関係機関の方々に
相談すると、「全く驚かれない」。
その理由ですが、師匠曰く、
「1年目から計画通り(思い通り)
にできるわけがない。農家にとって
日常の作業であっても、経験が必要
な部分が必ずあって、それはやって
みないと理解できない。」だそうで、
さらに「ミカンの樹も人と同じように
年齢を重ねていて、昨年と同じやり
方が今年通用するわけではない。」
とも。
新規就農者の経営をサポートして
くれているある方は、「不思議な
もので、事業継承した年、又は
数年はなぜか、それまでの実績から
予想されるポテンシャルを発揮
できない事がほとんどで、おそらく
それぞれの園地の「癖」みたいな
ものがあって、管理者が代わると
樹々にも影響するのでしょう。」と。

現時点での園主の考えとして、
農業経営は「誤りの余地」
(⇒計画通り行かない可能性を
考慮した上で、余裕を持った
資金計画、農地取得、改植計画を
立てる事。)
を十分に考慮する必要があると
痛感しています。
技術的な課題(剪定、農薬散布、
摘果、潅水etc)は随時見直しを
行い改善することはもちろんですが、
資金計画、農地取得、改植計画
一朝一夕には行きませんので、
より計画性が必要となります。

農家それぞれに状況が異なるので
抽象的な内容になってしまいますが、
当園では、経営基盤の確立にため、
甘夏安定生産:毎年30t以上」を
経営計画の柱のひとつとして、
取組んでいる最中です。