2026年8月14日(金)
日本列島はお盆期間の真っ只中ですね。
きっとご先祖様たちも久しぶりの里帰りをされ、
家族とゆっくり過ごされていることと思います。
私事ですが、今年は当園にとっても大切な「初盆」の法要がありました。
無事に執り行うことができ、ホッと一安心したところです。
本来であれば、私もご先祖様たちと一緒にゆっくりとお盆を過ごしたいところなのですが……。
現実の私は、連日汗だくになりながら農作業に邁進しております!
なぜこれほどまでに忙しいのか。
その理由は、今、当園が直面している「深刻な水不足」にあります。
ニュースでは、昨日は関東地方で記録的な大雨が降り、
多大な影響が出たと報じられていました。
被災された地域の方々には心よりお見舞い申し上げます。
しかし、ここ熊本県津奈木町は、その真逆。
なんと梅雨明け以降、まとまった降雨が一度もありません!
まさに「日照り続き」の状態で、畑の土はカラカラに乾ききっています。
この時期(8月)は、柑橘類にとって極めて重要な「果実肥大期」です。
甘夏やデコポンの農家としては、「10日ごとに40mm」の雨が喉から手が出るほど欲しいのが本音です。
余談ですが、天気予報で「1mmの降雨」と聞くと、大したことないように思えませんか?
でも、農業のスケールで計算すると、その量はとてつもないんです。
つまり、たった1mmの雨でも、1反の畑全体には「1トン」もの水が供給される計算になります。
もし理想の「40mm」が降れば、1反あたり40トンもの恵みの水が、
自動的に、しかもムラなく行き渡るのです。
自然の雨が期待できない今、私たちができることはただ一つ。
人力で水を撒く「潅水」です。 トラック(2t車)に1トンの貯水タンクを積み、
何度も水を汲みに行っては、樹の一本一本に撒いて回ります。
朝から晩まで、毎日のようにこの作業を繰り返しても、
自然の恵み(降雨)には逆立ちしても追いつきません。
1トン撒くのは重労働ですが、それは畑全体で見れば、たった1mmの雨にも満たない微々たる量なのです。 改めて、空から降る雨の有難みを、身に染みて痛感しています。
潅水作業の合間を縫って、園主の狩猟の師匠である「幸吉さん」と合流しました。
目的は、地域の獣害状況を確認するための巡回です。
昨今、地域の方々からのイノシシなどの目撃情報や被害報告が相次いでいます。
秋の稲刈りシーズンを控えた今、捕獲の要望(対応)が求められているのです。
👆師匠と確認した獣道のひとつ。
急斜面で、罠をしかけるポイントの選定が非常に難しい場所ですが、
これほどはっきりと踏み固められた獣道は、ハンターにとっては絶好のポイントです。
狩猟、特に「括り罠(くくりわな)」による捕獲は、設置して終わりではありません。
日々の見回り、作動状況の確認、そして捕獲後の処理など、
ハンターにかかる時間的・身体的負担は想像以上に大きいです。
特に私は、本業が農家です。潅水や摘果でヘトヘトな体に、狩猟の負担が重くのしかかります。
そのため、当園では可能な限り、
「日々の農作業の動線(移動ルート)」沿いに罠を設置するようにしています。
これなら、畑仕事の行き帰りに効率よく見回りができるからです。
潅水作業、摘果作業、そして師匠との巡回を終える頃には、陽も傾き始め、もう夕方。
今日も時間の流れがあっという間で、体はヘトヘト、喉もカラカラです。
「よし、そろそろ帰ろう」と軽トラを走らせ、帰路につきました。
その途中、農道沿いの罠を仕掛けた場所の近くを通りかかった時のことです。
車内から、ほんの少し、景色の「違和感」を感じました。
念のため車を降りて、静かに近づいて確認します。 すると、そこには。
かわいらしい獲物が、ちょこんと鎮座していました。
皆様、この動物をご存知でしょうか? 答えは……「アナグマ(穴熊)」です。
「クマ」という名前がついていますが、クマの仲間ではなくイタチ科の動物です。
見た目はタヌキに似ていますが、顔の縞模様が縦(鼻筋に沿って)に入っているのが特徴です。
実はこのアナグマ、津奈木町でも「有害鳥獣」に指定されています。
そういえば、アナグマの捕獲は久しぶりです。
正直なところ、ハンターとしての本音を言えば、獣道を狙っての「アナグマ」や「タヌキ」の捕獲は、
あまり歓迎できません。 なぜなら、同じ道を共有しているイノシシが、アナグマが罠にかかって騒いだ跡(匂いや荒れた土)を察知し、警戒して通らなくなってしまう可能性があるからです。
とはいえ、こればかりは選べません。
罠にかかった以上は、有害鳥獣として「止め刺し」を行い、適切に処理します。
これも、農作物と地域の生活を守るための、避けて通れない仕事です。
今日も一日、本当に駆け抜けるような長さでした。
ご先祖様たちも、「相変わらず忙しいやつだ」と笑っているかもしれませんね。
ヘトヘトですが、まずはしっかりお風呂に入って、ビールを飲んで(笑)、
明日の潅水作業に備えたいと思います。
空を見上げながら、「明日こそは雨が降りますように」と願わずにはいられません。
皆様も、熱中症にはくれぐれもお気をつけて、残りのお盆期間をお過ごしください。