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「1反からOK!?」芦北の「週末あまなつセミナー」で知った、これからの農業の形と大先輩の知恵

2026年9月15日(火)

2日前の9月13日(日)、お隣の芦北町で開催された「週末あまなつセミナー」に参加してきました!

このセミナーは芦北町が主催し、㈱田の浦柑橘組合さんと熊本県芦北地域振興局 農業普及・振興課さんが
講師を務める本格的な講座です。

実は、芦北地域は甘夏の生産量・栽培面積ともに熊本県内第1位!
特に田浦地区は甘夏の発祥の地とも言われ、「マルタブランド」として全国的にも有名です。
甘夏単体で年間約3,000トンを出荷する、まさに国内トップクラスの産地です。

しかし、そんな大産地であっても、生産者の高齢化や離農による「生産量・栽培面積の減少」は深刻な
課題となっています。そこで、甘夏生産の新たな担い手を確保するために始まったのが、このセミナーです。

■ 「1反(10a)からの週末農家、大歓迎!」

セミナーの冒頭、㈱田の浦柑橘組合の山下社長から、とても印象的なお話がありました。

「ブランドを維持するための手段として、専業農家による大規模栽培だけにこだわりません。1反(10a)からスタートする週末農家さんの参入を大歓迎したいのです。増え続ける耕作放棄地や手入れの行き届かない園地を、週末農家のみなさんの力で維持していただけたらありがたい。無理して傾斜のきつい大変な土地をやる必要はありません。条件の良い場所を優先して守っていきましょう」

実は、私自身も新規参入のいわゆる「脱サラ農家」です。
参入時のハードルの高さや壁には、嫌というほどぶつかってきました……
(※農家になった今でも日々苦労の連続ですが笑)。

だからこそ、地域全体で門戸を開き、関係機関の方々が手厚く支援してくれる芦北町の姿勢には、
心から感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

ちなみに私自身は新規就農希望者ではなく、隣の津奈木町在住で、㈱田の浦柑橘組合でもありません。
そんな私に、 「甘夏を専門に勉強できる良い機会だし、人脈づくりにもなるからぜひ参加してみたら?」 と温かく声をかけてくださったのは、芦北町役場の職員の方々でした。
この温かいお心遣いには、感謝しかありません!

■ 32年前の「大渇水」——大先輩から学ぶ、危機を乗り越える知恵

この日の講習内容は、9月〜11月の施肥や防除といった秋の管理がメインでしたが、
話題は今年の「記録的な干ばつ(雨不足)」にも及びました。

甘夏はデコポン(不知火)などの浅根性の品種に比べると干ばつに強いと言われていますが、
今年の極端な雨不足はやはり深刻です。今年度の収穫はもちろん、
来年の樹の状態や生産への影響も心配でなりませんでした。

そこで質疑応答の時間、思い切って質問してみました!

:「たしか32年前(平成6年)にも、この地域で大渇水があったとお聞きしています。その際はどのような対策を取られ、翌年の生産はどうなったのでしょうか?」

会場の多くが当時の状況を知らない世代だったのですが、山下社長が貴重な経験談を教えてくださいました。

山下社長: 「当時は町で緊急給水場が設置され、農業用給水も行いましたが、正直なところ広大な園地ではほとんど効果が出ないのが現実でした。 そこで年末にかけて、尿素などの『葉面散布』を中心に据えて樹勢回復に努めたのです。根へのダメージが相当深刻だと判断し、土からではなく葉から直接栄養を与えるアプローチに切り替えました。 幸いなことに、翌年の生産には大きな影響が出ずに済みたと記憶しています。」

当時の現場を知る大先輩のリアルな体験談……本当にありがたいお話でした!
32年前と現在では樹齢などの条件は異なりますが、「今やるべきアプローチ」の道筋が見え、
大きな安心感を得ることができました。さっそくこの秋から対策を講じていきたいと思います。

■ 基礎の再発見と、甘夏缶詰の食べ比べ!?

座学では他にも、甘夏缶詰の食べ比べというユニークな企画がありました!
(※実は甘夏の缶詰を食べたことがなかった園主です笑)

座学の後は園地へ移動し、現場研修へ。 仕上げ摘果の説明や農薬散布の実演など、
農家としては一見「当たり前」に思える内容もありましたが、
こうして改めて基礎から学び直すと、新しい発見や気づきがたくさんあります。
初心に帰ることができる本当に良い研修でした!

次回の第4回セミナー(11月20日)も今からとても楽しみです。
地域のみなさん、ありがとうございました!

大地と甘夏

KATO果樹園 園主 大学卒業時に将来農業で起業することを決意。 食品会社、JA職員、製薬会社での勤務を経て、 2023年、就農に向けて熊本県芦北地方に移住。 2024年、念願の就農。 現在、甘夏(70a) 、施設デコポン(12a) 、 露地デコポン(20a) 、黄金柑(5a)、 一寸ソラマメ(5a)、お米(30a)の 生産規模で経営。 「ブルーベリー」「にんにく」の生産挑戦のため準備中。