➌お米の学びなおし講習会2026

➌お米の学びなおし講習会2026

2026年7月12日(日)

今回も参加してきました!「お米の学びなおし講習会」。
今回は「つなぎ文化センター」での座学から、
現地講習へと向かう充実のカリキュラムです。

まずは芦北地域振興局の農業普及員の先生から、
田植え後の管理について「各作業のポイント」をみっちり教わりました。
備忘録を兼ねて、特に重要だったポイントをシェアします!

🌾 1. 除草剤散布の鉄則

「これを守りましょう!」と念を押されたのがこちら。

  • 天気を選ぶ: 風のない晴れた日に。風が強いと薬が飛んで稲の生育を邪魔するリスクあり。
  • 雨の日はNG: 水が溢れて(オーバーフロー)薬が流れてしまうため。
  • 水深は5cmをキープ: 水が少なくて田んぼの土が露出すると、薬の膜(処理層)ができずに効果が落ちてしまいます。

🐌 2. 天敵!ジャンボタニシ対策

  • 苗が大きく、硬く育つまでは「浅水管理」を徹底。水を深くすると、
    やつらは活発に苗を食べにきます……!

💧 3. 命運を分ける水管理(間断潅水・中干し・深水管理)

  • 田植え2週間後からは「間断潅水(かんだんかんすい)」:
    水を溜めっぱなしにすると、地中でメタンガスが発生して稲の根を痛めてしまいます。
    定期的に水を抜いてガスを逃がし、酸素を吸わせることで、
    稲の成長(分げつ)を促します。
  • 中干し(なかぼし):
    稲の過剰な成長を一度止め、「穂を作るステージ」へ移行させるためのスイッチ。
    根に酸素を送ることで、実が詰まった米を作るための「強い根」を育てます。
    台風などで倒れない「耐倒伏性」を高める効果も。
  • 8月中下旬は「深水管理」:
    この時期の穂は、人生で一番水を必要としています。
    出穂期や台風の時は、これでもかと水をたっぷり入れます。
  • 収穫前の落水: 全体の4〜5割の穂が出た日(出穂日)からの
    「日々の平均気温」を足していき、合計1100℃くらいになった頃が収穫の目安。
    その収穫の7日前に水を完全に抜きます。

🤔 米作り1年生の、素朴なギモン

……と、ポイントは盛りだくさん。基本として頭に叩き込みましたが、
ここで米作り1年生(本業:みかん園主)の私の中に、ある疑問が浮かびます。

「これ……そんなに教科書通りに、都合よくできます!?」

そもそも、水は自分のタイミングだけで自由になるわけじゃない。
おまけに田んぼは完全に真っ平らではない。
水が深いところもあれば、陸地みたいに浅いところもある。

早速先生に質問してみました。

先生:「お米の研究はもの凄く進んでいて、
『これが理想』という形は確立されています。
ただ、多くの田んぼで思い通りにいかない現実があることも分かっています。
それでもお米はちゃんと育ちます。ですから、
それぞれの田んぼに合わせて、臨機応変に対応してください!」

なるほど、深い。理想を知った上で、
現場の現実に合わせてアジャストしていくのがプロの技なんですね。

🍊 柑橘農家から見た「お米の世界」の独特さ

今回の講習会には、九州農政局の方、農薬メーカーの方、
JAの担当者さんなど、本当に多くの方々が来られていて、
貴重なお話を伺うことができました。

ここで、いまさらではありますが、一言言わせてください。
「お米の世界って、めちゃくちゃ特別で独特じゃないですか……!?」

私は果樹・柑橘のセカイで就農し、
これまでいろんな講習会や研修に出てきました。
その経験と比べても、お米の世界はちょっと異質に思えるのです。

一言でいうと、「関係者がとにかく多くて、その繋がりが複雑」。

もちろん、これが良い悪いという単純な話ではありません。
日本の主食である「お米」の供給を絶対に切らさないために、
これだけ多くの組織や人々が日々尽力されているのは事実ですし、
ある意味では「手厚く守られている」という安心感もあります。

ただ、民間企業や個人の裁量が大きい果樹の世界から見ると、
ちょっと不思議な感覚を覚えるのも確かです。

関わる人や組織が多すぎるがゆえに、
「これ、何か一つ新しいことを始めようとしたら、
調整だけでめちゃくちゃ大変なのでは……?」
「国の方針や組織の仕組みに縛られて、現場の自由度が狭まっていないかな?」 と
感じてしまう部分もありました。

ガッチリ守られた巨大なシステムだからこその「安心感」と、
それゆえの「動きづらさ」。 主食を守るという大義名分のもとで、
日本の農政(特にお米)が長年抱えてきた構造的な難しさを
、米作り1年生ながらに肌でピリリと感じた次第です。

みかんの山から田んぼの世界を覗いてみると、
日本の農業の奥深さと、その裏にある複雑な背景に改めて圧倒されます。
色々とガチガチな世界ではありますが、普及員の先生の言葉通り、
我が家の田んぼでは「臨機応変の精神」でマイペースに楽しんで
向き合っていこうと思います!

👆水口に松の木の切り株を置くと水面の「藻」の発生が
抑えられるらしい。とのことでアグリ津奈木の坂口社長から
受講者に松の木の切り株をこの日プレゼント。
科学的根拠は現時点でないそうなのですが、あの「現代農業」
などでも紹介された手法とのことです。