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【農家ハンター】令和8年度の捕獲日記(目標25頭)【現在 12頭目:イノシシ】+露地デコポンの緊急水やりに走る(と、思わぬ珍客)

2026年8月1日(土)

「暑い!もう無理!もう限界!いい加減にしろーーっ!」

ふと耳をすますと、園地のデコポンの樹々からそんな悲鳴が聞こえてきそうです。
今日からいよいよ8月。振り返れば、今年は例年より早い梅雨明けでした。
梅雨の戻りもなく、当園の雨量計が記録した7月の降水量は、
わずか83mm。なんと7月7日を最後に、まともな雨が全く降っていません……。

恵みの「乾燥」のはずが…デコポン最大のピンチ!

もともとデコポン(不知火)は「浅根性(あさねせい)」といって、
根が浅い位置に張る性質があります。
秋以降の成熟期(熟していく時期)に適度な乾燥状態になると、
キュッと甘みが凝縮して美味しいデコポンが仕上がるのですが、
今はまさに「果実肥大期(実が大きくなる時期)」
この時期の極端な水不足は、果実が大きくならないだけでなく、
最悪の場合は樹そのものが弱ってしまう(樹勢の低下)大問題なのです。

冒頭の「デコポンの叫び」は、決して大げさではありません。

ビニールハウスなどの施設栽培なら自動かん水設備がありますが、
当園のような露地栽培(屋外での栽培)で、
設備がない園地に水をやるのはまさに命がけの重労働です。

どれくらい重労働かというと……

  1. 農薬散布用の大型タンクに汲み上げた水を汲む
  2. エンジンポンプを起動
  3. 太くて頑丈な「サクションホース」を引っ張り回す
  4. 樹の根本一本一本に、たっぷりと手作業で水をかけていく

この「サクションホース」、普段使う散水ホースとは違ってとにかく重い!
しかも500リットルのタンク満タンで撒けるのは、たったの7〜8本分
水が切れたらまた汲み直し……の無限ルーティンです。
平坦な場所ならまだしも、当園のような傾斜の「段々畑」でのこの作業は、
全身の筋肉が悲鳴をあげます。

ですが、この異常な干ばつを指をくわえて見ているわけにはいきません。
今日から緊急かん水(水やり)を開始します!

トラブルは突然に。これぞ農家のリアル

さっそく倉庫に眠っていたかん水用のエンジンポンプとホースを引っ張り出しました。
効率を上げるため、軽トラではなく2トントラックに1トンの大型タンクを載せて出動しようと、
トラックのキーを回すと……

「プス……プス……」

嫌な予感的中。バッテリーが完全に上がっています。
調べてみるとかなり劣化が進んでおり、交換するしかなさそう。

「まあ、一筋縄ではいかないのが農業よね……」と苦笑いしつつ、
結局いつもの軽トラックで作業することに。
これで単純計算、作業時間は想定の倍確定です!
なかなか思い通りにいかないことばかりですが、
覚悟を決めて汗だくになりながら作業を進めます。

作業はハード極まりないですが、水をたっぷり吸った樹々はどこか気持ちよさそう。
「しっかり水分補給して耐えてくれよー!」と声をかけながら、
ひたすら水を送り続けました。 今日一日でなんとか園地の半分が完了。
残りは明日、気合を入れて頑張ります!

帰り道のサプライズ。まさかの遭遇

汗だくの仕事を終え、「さあ帰ろう!」と車を走らせます。
帰宅ルートのついでに、設置している「くくり罠」の様子を見回りしていくことにしました。

すると帰り道の途中で、一箇所だけ「あれ?仕掛けがはじかれたかな?」という場所を発見。
「仕掛け直しかな」と車を降りてそっと近づいてみると……

いました。「イノシシ」です!

仕掛けにかかっていたのは、まだ幼いメスのウリ坊。
暴れることもなく、あまりにおとなしく怯えるようにうずくまっていました。

見た目は可愛らしいウリ坊ですが、農家にとっては丹精込めた作物を荒らす害獣です。
かわいそうという気持ちをぐっと抑え、安全に配慮しながら止め刺しを行い、
適切に処理します。

これで今年度の捕獲数は累計12頭目!(今年度の目標は25頭!順調なペースです)。

水やりのトラブルに、急なイノシシの捕獲。
バタバタと刺激的(?)な8月のスタートになりましたが、
デコポンたちも水分補給できて少し息を吹き返した様子です。


大地と甘夏

KATO果樹園 園主 大学卒業時に将来農業で起業することを決意。 食品会社、JA職員、製薬会社での勤務を経て、 2023年、就農に向けて熊本県芦北地方に移住。 2024年、念願の就農。 現在、甘夏(70a) 、施設デコポン(12a) 、 露地デコポン(20a) 、黄金柑(5a)、 一寸ソラマメ(5a)、お米(30a)の 生産規模で経営。 「ブルーベリー」「にんにく」の生産挑戦のため準備中。