2026年8月1日(土)
「暑い!もう無理!もう限界!いい加減にしろーーっ!」
ふと耳をすますと、園地のデコポンの樹々からそんな悲鳴が聞こえてきそうです。
今日からいよいよ8月。振り返れば、今年は例年より早い梅雨明けでした。
梅雨の戻りもなく、当園の雨量計が記録した7月の降水量は、
わずか83mm。なんと7月7日を最後に、まともな雨が全く降っていません……。
もともとデコポン(不知火)は「浅根性(あさねせい)」といって、
根が浅い位置に張る性質があります。
秋以降の成熟期(熟していく時期)に適度な乾燥状態になると、
キュッと甘みが凝縮して美味しいデコポンが仕上がるのですが、
今はまさに「果実肥大期(実が大きくなる時期)」。
この時期の極端な水不足は、果実が大きくならないだけでなく、
最悪の場合は樹そのものが弱ってしまう(樹勢の低下)大問題なのです。
冒頭の「デコポンの叫び」は、決して大げさではありません。
ビニールハウスなどの施設栽培なら自動かん水設備がありますが、
当園のような露地栽培(屋外での栽培)で、
設備がない園地に水をやるのはまさに命がけの重労働です。
どれくらい重労働かというと……
この「サクションホース」、普段使う散水ホースとは違ってとにかく重い!
しかも500リットルのタンク満タンで撒けるのは、たったの7〜8本分。
水が切れたらまた汲み直し……の無限ルーティンです。
平坦な場所ならまだしも、当園のような傾斜の「段々畑」でのこの作業は、
全身の筋肉が悲鳴をあげます。
ですが、この異常な干ばつを指をくわえて見ているわけにはいきません。
今日から緊急かん水(水やり)を開始します!
さっそく倉庫に眠っていたかん水用のエンジンポンプとホースを引っ張り出しました。
効率を上げるため、軽トラではなく2トントラックに1トンの大型タンクを載せて出動しようと、
トラックのキーを回すと……
「プス……プス……」
嫌な予感的中。バッテリーが完全に上がっています。
調べてみるとかなり劣化が進んでおり、交換するしかなさそう。
「まあ、一筋縄ではいかないのが農業よね……」と苦笑いしつつ、
結局いつもの軽トラックで作業することに。
これで単純計算、作業時間は想定の倍確定です!
なかなか思い通りにいかないことばかりですが、
覚悟を決めて汗だくになりながら作業を進めます。
作業はハード極まりないですが、水をたっぷり吸った樹々はどこか気持ちよさそう。
「しっかり水分補給して耐えてくれよー!」と声をかけながら、
ひたすら水を送り続けました。 今日一日でなんとか園地の半分が完了。
残りは明日、気合を入れて頑張ります!
汗だくの仕事を終え、「さあ帰ろう!」と車を走らせます。
帰宅ルートのついでに、設置している「くくり罠」の様子を見回りしていくことにしました。
すると帰り道の途中で、一箇所だけ「あれ?仕掛けがはじかれたかな?」という場所を発見。
「仕掛け直しかな」と車を降りてそっと近づいてみると……
いました。「イノシシ」です!
仕掛けにかかっていたのは、まだ幼いメスのウリ坊。
暴れることもなく、あまりにおとなしく怯えるようにうずくまっていました。
見た目は可愛らしいウリ坊ですが、農家にとっては丹精込めた作物を荒らす害獣です。
かわいそうという気持ちをぐっと抑え、安全に配慮しながら止め刺しを行い、
適切に処理します。
これで今年度の捕獲数は累計12頭目!(今年度の目標は25頭!順調なペースです)。
水やりのトラブルに、急なイノシシの捕獲。
バタバタと刺激的(?)な8月のスタートになりましたが、
デコポンたちも水分補給できて少し息を吹き返した様子です。