【農家ハンターのひとりごと】(番外編)くくり罠の悩み

【農家ハンターのひとりごと】(番外編)くくり罠の悩み

2026年9月14日(月)

実はここ最近、狩猟仲間の間で「2つのお悩み」を耳にしました。
今回は、私なりの個人的な見解と、お馴染みの師匠・「幸吉さん」に教わったノウハウを踏まえて、
記事にまとめてみたいと思います!

お悩み①「箱罠の周辺に仕掛けたくくり罠が、完全にバレて引き出されてしまう…」

まずは、こちらの写真をご覧ください。

箱罠の入口付近に仕込んでおいたはずのくくり罠が、見事に掘り起こされ、
引っ張り出されてしまっています……。

「そもそも、箱罠を設置しているのに、なんでわざわざくくり罠まで仕掛けるの?」
そう疑問に思う方も多いですよね。

実はここ最近、年々イノシシたちの警戒心が強くなり、
箱罠での捕獲難易度が爆上がりしているんです。
ウリ坊や若い個体は素直に入ってくれるのですが、
場数を踏んだ「スレた成獣」は一筋縄ではいきません。

そこで登場するのが、師匠の幸吉さんもよく使う「箱罠×くくり罠のセット運用」です。

  • 箱罠の役割: デカくて目立ち、餌の匂いがプンプンする最高の「強力な集客看板(オトリ)」
  • くくり罠の役割: 警戒して箱罠に入らない賢い個体を、足元で確実に留める「本命の仕掛け」

箱罠の集客力を逆手にとって周辺で仕留めるという理にかなった作戦なのですが……
今回のようにお見通しと言わんばかりに引き出されてしまうと、本当に悔しいですよね!

💡 幸吉流&農家ハンターの改善アプローチ

1. 入口の真正面を避け、「アプローチの死角」を狙う

賢い個体は入口前で一度立ち止まり、足元を執念深く探ります。
そのため、入口の正面ではなく、箱罠の側面・背面・あるいは少し離れた裏手に設置するのが有効です。
「餌の匂いにつられて箱罠の周りをグルグル回り、ふと足を踏み出す場所」を狙いましょう。

2. 見破られたら「少しずらす」が鉄則

一度バレて引っ張り出されたりカラ弾きされたりした場所は、
イノシシにとって「危険地帯」として記憶されています。
同じ場所に埋め直すのではなく、30cm〜1mほど場所をずらし、
アプローチの角度を変えて仕掛け直すのが賢明です。

3. 「見えないカモフラージュ」を徹底する

引き出される原因の多くは、ワイヤーの金属臭や掘り返した土の匂い、踏み板の浮き上がりです。
現地の落ち葉や土を自然に被せるのはもちろん、手袋の匂い移りにも注意し、
踏み板の周囲に自然な障害物(小さな枝や石)を置いて「ここに足を置かざるを得ない状況」を
作り出しましょう。

お悩み②「くくり罠の『カラ弾き』ばかりが起こる…」

続いてのお悩み。これ、くくり罠を始めた人が100%ぶち当たる壁と言っても過言ではありません。

「設置の仕方が下手なのかな?」「イノシシに見抜かれているのか……?」と
一人で抱え込んでしまいがちですが、ちょっと待ってください!

実はそれ、イノシシの仕業ではないかもしれません。

原因の多くは、、、、 「アナグマやタヌキなど、軽量で俊敏な小動物の仕業」です!

くくり罠は基本的に「獣道(けものみち)」に仕掛けますよね。でもあの道、
イノシシやシカ専用の高速道路ではありません。イタチ、アナグマ、タヌキ、テンなど、山中のあらゆる動物が利用する「共有道路」なんです。

体重が軽いためワイヤーが足に括りつく前に踏み外してしまったり、
敏捷さゆえに弾けた瞬間に逃げられたりして、「カラ弾き」だけが残されるというわけです。

💡 カラ弾きを撃退する解決策&アイデア

解決策A:まずは中型獣を捕獲・クリアする(根気勝負)

一度箱罠や小型の罠でアナグマやタヌキを捕獲し、ルート上の小動物を減らしてからイノシシを待つ方法です。 ※ただし、中型獣がかかった暴れ跡や匂いでイノシシが警戒し、
一時的にルートを変えてしまうデメリットもあります。ここはイノシシとの我慢比べです!

解決策B:米ぬかで「イノシシの本命ルート」を見極めてからセットする

私のオススメは、最初から罠を設置せず、まずは米ぬかだけを撒いて様子を見る方法です。
小動物も米ぬかを食べますが、イノシシが来ると一気に大量に食べ尽くされ、
豪快な掘り返し跡が残ります。「イノシシが本格的に通い始めた!」と確信を得てから罠を設置すると、
カラ弾きの確率をグッと下げられます。

💡 空弾きを防ぐ構造的工夫

  • 踏み板の作動体重(荷重)を調整する 小動物の体重(数kg程度)では反応せず、イノシシの体重(20kg以上〜)がかかった時だけ作動するよう、踏み板のバネの強さを調整したり、下に小さな支え(折れやすい小枝など)を挟んで「遊び」を作ったりする工夫も非常に効果的です。
  • カメラ(トレイルカメラ)で相手を特定する 「何がカラ弾きさせているのか」をセンサーカメラで可視化するのも近道です。相手がタヌキなのか、それともイノシシの鼻先攻撃なのかが一目瞭然になり、無駄な試行錯誤を減らせます。

狩猟は、野生動物との知恵比べ。 失敗すると凹みますが、「なぜ失敗したのか?」を
分析して次の一手を考える時間こそが、仕掛けの面白さでもありますよね!

みなさんの現場でも「こんな工夫をして効果があったよ!」「うちはこうやって解決した!」という
アイデアがあれば、ぜひコメントやメッセージで教えてください。

それでは、今週も安全第一で山に入りましょう!

最後に、恒例となった「農家ハンター」の活動報告です。

9月13日・14日「連続」での捕獲に成功しました!

これにより、今シーズンの累計捕獲数はついに【 35頭 】を達成いたしました!