満月の夜に思う「命と農」のリアル。私たちが覚悟を持って「農家ハンター」を続ける理由【害獣駆除・始め方ガイド付き】

満月の夜に思う「命と農」のリアル。私たちが覚悟を持って「農家ハンター」を続ける理由【害獣駆除・始め方ガイド付き】

2026年9月28日(月)

ここ数日の雨続きと、満月が重なった秋の夜長。
ブログにお越しいただきありがとうございます!

昨日は北部九州で線状降水帯前警報が発表されるなど大変な悪天候でしたが、
ここ熊本県南部の津奈木町(つなぎまち)では警報級とまではいかず一安心。
それでも当園の雨量計で週末からの3日間で60mmを超える雨を記録しました。
恵みの雨とはいえ、農作業のスケジュールくりには頭を悩ませる日々です。

さて、昨日の27日(日)はあいにくの天気でしたが、暦の上では「満月」の夜でした。
実は、月の明るい夜は野生の獣たちの動きが一気に活発になります。
暗闇に乗じて農地へと足を進めてくる彼らの気配を感じつつ、
私たちは今年度の猟期解禁に向けた大切な準備を進めていました。

そう、「猟友会」での狩猟許可申請と狩猟税納付などの手続きです。

狩猟を行うための「リアルな初期費用」とは?

「狩猟ってどれくらいお金がかかるの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

あくまで当猟友会の一例ですが、私のように「猟銃+罠(わな)猟」の二つの登録を行う場合、
準備だけで約3万円程度の費用が必要になります。
(※お住まいの地域、所属する猟友会、減免措置の有無によって異なります)。

具体的な内訳は以下の通りです。

項目金額
登録手数料3,600円
狩猟税5,400円
日本猟友会費3,400円
県猟友会費3,800円
支部会費2,200円
ハンター保険5,000円
分会費5,000円
罠札代3,000円
合計32,400円

毎年支払う負担額としては決して小さくありません。
しかし、「地域の農地と生活を守る=有害鳥獣駆除」を続けていくためには避けて通れない必要経費です。

私の場合は有害鳥獣駆除を目的として狩猟を行っているため、捕獲に対する報奨金を頂くことでなんとか事業としての採算を合わせています。

「命を奪ってお金をもらうのか」という批判に向き合って

時折、一部の方から「野生動物を殺すことで金儲けをするとは何事か!」といった厳しい言葉をいただくことがあります。

生き物の命を大切にしたいというお考え自体は尊重します。
しかし、私たちは決して「お金儲け」で害獣駆除を行っているわけではありません。

昔と違い、現在は過疎化や環境の変化によって生態系のバランスが大きく崩れ、
集落(人間の生活空間)と野生動物の生息域の境界線が崩壊しているのが現状です。
このまま放置すれば、農作物が食い荒らされるだけでなく、住民の身の安全すら脅かされます。
これは人にとっても、増えすぎて餌不足に陥る動物にとっても、決して望ましい状況ではありません。

私達農家にとって、害獣被害はまさに「生活の死活問題」なのです。
九州にはクマはいませんが、全国でクマの被害に悩まされている地域の方々のニュースを見るたび、
胸が締め付けられる思いがします。

自治体やハンターによる駆除に対して批判的な意見をお持ちの方々に、あえてお問いかけしたいことがあります。

「駆除という手段を使わずに、集落や農地に被害を出さない具体的な方法があるなら、ぜひ教えていただきたい。」

「もしクマやイノシシと話し合いで解決できるのであれば、私たち農家も大歓迎です。」

少々荒っぽい言い方になってしまい申し訳ありません。
しかし、現場で汗を流すハンターは、自分たちの手で地域と生活を守るために、
覚悟と強い責任感を持って法律やルールの範囲内で行動しています。
その切実な現実を、少しでもご理解いただけたら幸いです。

地域を守る「農家ハンター」になろう!

「鳥獣被害に悩んでいるけれど、罠を仕掛けるのは難しそう…」と感じている農家の皆さん。

最初は誰でも初心者です。自分たちの手で畑を守り、しっかりとルールに則って活動すれば、
報奨金制度などを活用して経費をカバーしながら「地域の守り手」として活躍することができます。

農家自らがハンター(農家ハンター)になることは、作物を守るだけでなく、
地域コミュニティの未来を守る大きな力になります。
一緒に声を掛け合い、農地を守る一歩を踏み出してみませんか?

🎯 最新の「農家ハンター報告」!

最後に、直近の成果をご報告します!
27日(日)~28日(月)の2日間で、新たに2頭のイノシシを捕獲しました!

これで今年度の通算捕獲頭数は【 47頭 】に到達!

満月の夜の月明かりに誘われたためか、これで5日間連続の捕獲となっています。
今後も気を引き締め、安全第一で活動を続けてまいります!
地域の食と自然のバランスを守るため、農家ハンターは今日も現場へ向かいます。
応援よろしくお願いいたします!

🌾 【自分たちの畑は自分たちで守る!】はじめての「農家ハンター」デビューガイド

「せっかく丹精込めて育てた作物が、一夜にしてイノシシに荒らされた…」

「防護柵を張っているけれど、これ以上の被害を抑えるにはどうしたらいいんだろう?」

そんな悩みを抱えている農家の皆さん、自分たちの手で畑と地域を守る「農家ハンター」を目指してみませんか?

「狩猟免許って取るのが難しそう…」と思うかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば大丈夫!
今回は、農家がゼロから狩猟免許を取得し、地域を守るハンターとしてデビューするまでの簡単な4ステップをご紹介します。

🎯 農家ハンターになるためのカンタン4ステップ

1.ステップ1:免許の種類を選んで、講習会に申し込もう:まずは事前講習会に申し込むのが合格への一番の近道!。

農家さんの害獣対策として一番おすすめなのが**「わな猟免許」**です。銃を使わないため安全で、満18歳以上ならどなたでもチャレンジできます。

  • 事前講習会(初心者講習)に参加しよう!試験の前に各地の猟友会が開催する講習会です。テキストがもらえるだけでなく、実技講習や模擬問題も学べるため、受講しておくと合格率がグッと上がります。まずは役場の農林課や鳥獣対策担当窓口で日程を確認してみましょう!

2.ステップ2:狩猟免許試験を受けよう:テキストをしっかり読めば難しくありません!。

都道府県が実施する試験(申請手数料:約5,200円)を受験します。

  • 知識試験:鳥獣保護のルールや害獣の種類についてのマークシート形式。
  • 身体検査:視力・聴力・運動機能の確認。
  • 実技試験:害獣の見極め(判別)や、実際に罠を架設・点検する実技。

事前講習会で教わったポイントをしっかり復習しておけば、決して難しい試験ではありませんよ!

3.ステップ3:猟友会に加入&登録・許可手続き:自治体の補助金制度を賢く使おう!。

無事に免許が交付されたら、次は実際に罠を仕掛けるための準備です。

  • 地元の猟友会に入会しようベテランの先輩ハンターから「イノシシがよく通る場所(獣道)」や「安全で効果的な罠の仕掛け方」など、地域ならではの実践的な知識を直接学べます!
  • 補助金制度を要チェック!多くの自治体では**「農家ハンター育成支援」や「免許取得費用の補助金制度」**を用意しています。自己負担を大幅に減らせる場合が多いので、申請前に必ず役場の担当窓口へご相談ください。

4.ステップ4:罠を設置して「地域の守り手」として活動開始!:毎日の農作業の行き帰りで確認できます。

準備が整ったら、いよいよ畑の周りや山際に罠を設置します。

  • 農家だからこそできる「ついで見回り」農家ハンター最大の強みは、毎日の農作業や見回りのついでに罠の点検ができること。わざわざ遠くから見回りに行く必要がないため、無理なく続けられます。
  • 経費も報奨金でカバー!害獣を捕獲すると自治体から**「捕獲報奨金」**が交付されます。これにより、罠の購入代や毎年の猟友会費・保険代などの経費をしっかりとカバーすることが可能です。

💡 農家自らがハンターになる3つの大メリット

  1. 「柵で防ぐ」+「罠で捕まえる」で被害が激減!防護柵だけでは防ぎきれない賢い個体も、罠を併用することで集落への侵入を根本から防ぐことができます。
  2. 農作業のついでにできるから長続きする!日々の畑仕事の動線上に罠を仕掛けるため、日常生活の負担にならずに活動を継続できます。
  3. 報奨金&補助金で採算がとれる仕組み!しっかりルールを守って活動すれば持ち出し費用を抑えられ、持続可能な害獣対策が実現します。

おわりに

最初は誰だって初心者です。「自分の大切な畑を守りたい」「地域の役に立ちたい」という気持ちがあれば十分!地元の仲間やベテランハンターがしっかりサポートしてくれます。

あなたも「農家ハンター」として、一歩を踏み出してみませんか?気になった方は、まずはお近くの役場(農林課や鳥獣対策担当)や地元の猟友会までお気軽にお尋ねください!